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2026年6月17日

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著者名 書名 出版社 出版年
甲斐順 『「薔薇は赤い」から探究する英語教育』帝京大学学術叢書001 帝京大学出版会 2026

【梗概】
 英米文化に根付いている伝承童謡(ナーサリー・ライムまたはマザー・グース)の一つに、聖バレンタインデーの時期によく使われる4行詩 Roses are red,/ Violets are blue,/ Sugar is sweet,/ And so are you.がある。本書はこの4行詩を、和訳・語彙・音韻・文法・文化などのさまざまな切り口から探究し、英語教育への生かし方について論じる。
 本書は三部構成となっている。第一部では言語学的側面からRoses are redで始まる4行詩にせまっていく。まず、意味の観点から、詩人の谷川俊太郎やイラストレーターの和田誠などの先人たちの訳詩・解釈から分析を行い、次いで4行詩で用いられている語彙について英和辞典、英英辞典などから綿密に調査、分析を行う。その後、Longman Pronunciation Dictionary等を用いて各語彙を音韻の側面から探っていく。第一部の終わりでは、文法の面に焦点を当て、4行詩の分析を試みる。
 第二部では日常生活に関わる文化的な側面から、同詩が活用されている小説(例、『大きな森の小さな家』、『アンの青春』)や歌(例、「涙の紅バラ」)、映画(例、『グリーンフィンガーズ』、新聞記事を取り上げ、各章でそれぞれが効果的に用いられていることを語る。
 第三部ではRoses are redで始まる4行詩が高校入試問題に使われた事例や伝承童謡における「薔薇は赤い」で始まる他のバージョンを取り上げる。終章では「英詩を英語教育で扱うことの意義」を述べ、次のような言葉で締めくくる。

「英詩」を使って「英語教育」を行うことは決して無駄なことではない。本書全体を通じて,その手法を示してきたつもりである。英語圏の国々の文化に根付く英詩を理解することで彼らとより深い意思疎通ができるだけでなく,想像力や創造力が搔き立てられ,情操が豊かになる。そのためにも英詩を活用する英語の授業が増えることを切望する。(pp. 294-295)

 終章を除く各章末では、扱った内容を英語指導に生かす方法を提案する。英語学、英米文学にとどまらず、英語教育に興味・関心のある方にもご一読いただければ幸いである。

【目次】
まえがき

第1部 言語学的側面からの探究
 第1章 訳詩・解釈からの探究
 第2章 辞典・事典からの探究
 第3章 発音・音韻からの探究
 第4章 文法からの探究

第2部 日常生活に関わる側面からの探究
 第5章 小説からの探究
 第6章 歌からの探究
 第7章 映画からの探究
 第8章 新聞記事の見出しからの探究

第3部 「薔薇は赤い」のさらなる探究
 第9章 高校入試問題からの探究
 第10章 ナーサリー・ライムにおける他の「薔薇は赤い」の探究

終章 英詩を英語教育で扱うことの意義

あとがき
参考文献・資料
索引

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