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2024年1月13日

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著者名 書名 出版社 出版年
日本ソール・ベロー協会編 『ユダヤ系アメリカ文学のすべて———十九世紀から二十一世紀』 小鳥遊書房 2023


【梗概】
 19世紀後半の発端から解き明かし、20世紀半ばのクライマックスを経て、21世紀の現在活躍している、日本では余り紹介されていない若手作家たちまでを1冊におさめた。これ1冊で《ユダヤ系アメリカ文学》について概観することができる。
 作家の生い立ちや作品、文学的特徴に触れつつ、新しい切り口、テーマ、解釈を中心に充分に論じられた論文編と解説編から成り、文学事典と学術論文集の良さを併せ持つ。アメリカ文学研究者、院生、大学生のみならず、一般の文学愛好家をも読者層として想定している。


【目次】
はじめに ユダヤ系アメリカ文学のイメージをつかむ (鈴木元子)
第Ⅰ部 論文編――ユダヤ系アメリカ文学の主要作家の真髄
◎エイブラハム・カーハン 社会進化論的視点からみた『デイヴィッド・レヴィンスキーの出世』 (大工原ちなみ)
◎ポール・ボウルズ ユダヤ系アメリカ人ポール・ボウルズとその周辺 (外山健二)
◎アーウィン・ショー 『夏の日の声』と反ユダヤ主義
——「ユダヤ系アメリカ人作家」としてのアーウィン・ショーの現在―― (伊達雅彦)
◎バーナード・マラマッド マラマッドとユダヤ系文学の帰還型主人公 (大工原ちなみ)
◎アルフレッド・ケイジン 『ニューヨークのユダヤ人たち』
——ケイジンの描くニューヨークとユダヤ人作家たち―― (山内圭)
◎ソール・ベロー 〝言語、ユーモア、アメリカ〟
——『ユダヤ短篇名作集』と『ラヴェルスタイン』から―― (鈴木元子)
◎グレイス・ペイリー グレイス・ペイリーのナラティヴ
——「死語で夢見る者」の間テクスト性をめぐって―― (大場昌子)
◎ハイム・ポトク 『選ばれしもの』にみる文化衝突と《目》の象徴性 (鈴木元子)
◎フィリップ・ロス 理想が裏切られて〈苦悩〉に沈む主人公 (岩橋浩幸)
◎ポール・オースター ポール・オースター、または「書くこと」への執着 (林日佳理)
◎ポーラ・ヴォーゲル 劇作『ミネオラ・ツインズ』の隠れたメッセージとは (村田希巳子)
◎ジェームズ・マクブライド ユダヤ人とカラー・ラインの問題
——『水の色』に描かれるユダヤ人とアメリカの人種関係―― (本田安都子)
◎マイケル・シェイボン 曖昧さという戦略 (坂野明子)
◎ネイサン・イングランダー 困難な倫理
——『地中のディナー』における閾の詩学―― (篠直樹)
◎アイザック・アシモフ/エドゥアルド・ハルフォン アイザック・アシモフとエドゥアルド・ハルフォンの〈エスニック〉なユダヤ的遺産 (ジャック・ライアン/外山健二訳)
◎ジョナサン・サフラン・フォア 『エブリシング・イズ・イルミネイテッド』における「神話世界」の詩学 (篠直樹)
第Ⅱ部 解説編――ユダヤ系アメリカ文学の広がり
◎エマ・ラザラス ユダヤ系アメリカ文学のパイオニア (大工原ちなみ)
◎アンジア・イージアスカ 「贅沢な暮らし」と『パンを与える人』 (本田安都子)
◎アーサー・ミラー 『荒馬と女』と『セールスマンの死』に見る〈はぐれ者たち〉 (伊達雅彦)
◎シンシア・オジック 『ショールの女』
——ホロコーストとその余波―― (鈴木元子)
◎イェジー・コジンスキー 『異端の鳥』と『ビーイング・ゼア』 (伊達雅彦)
◎ニコール・クラウス 『ヒストリー・オブ・ラブ』
——彼らが「愛」について語るとき―― (篠直樹)
コラム
永遠のアンネ・フランク――世代・国境を越えて愛され続ける理由—— (上田雅美)
ソール・ベローの思い出 (半田拓也)
おわりに 各章の要約 (鈴木元子)

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