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2023年6月13日

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著者名 書名 出版社 出版年
西谷拓哉・髙尾直知・城戸光世 編著 『ロマンスの倫理と語り――いまホーソーンを読む理由』 開文社 2023


【梗概】
日本ナサニエル・ホーソーン協会創立40周年を記念して編まれた論文集。なぜホーソーンは読まれ続けるのか、いまなお我々がホーソーンを読み続けている理由は何なのか。その考察を通して、ホーソーン文学の現代性をあらためて考察する。


【目次】
まえがき

第一部 ロマンスの倫理
城戸光世  〈エシカル・ルネサンス〉期のホーソーン文学
佐々木英哲  「若いグッドマン・ブラウン」
           ──黙示録的終末世界に見るエディプス問題と疎外
下河辺美知子  『総督官邸に伝わる物語』にはめ込まれた場所と時間と人間の心
           ──アメリカ的恐怖の重層性
林 姿穂  ホーソーンからハーンに受け継がれる自然観と女性像
           ──「ラパチーニの娘」と「青柳の話」を中心に
成田雅彦  ホーソーンの「痣」再考
           ──チェロキー族の強制移送と白人至上主義の論理
小南 悠  病いをぼかす
           ──『緋文字』における天然痘の政治学
野崎直之  存在のエコロジー
           ──ホーソーンの『緋文字』における共感、身体、依存
中西佳世子  ドメスティック・イデオロギーを解体するホーソーンの炉辺
           ──『七破風の屋敷』の暖炉とコーヒー
大野美沙  『七破風の屋敷』における中産階級家族の形成と労働者/奴隷の表象
齊藤園子  ブライズデール共同体をめぐるポリアモリーとホモソーシャルな絆

第二部 倫理と語りの中間地帯――「埋葬」をめぐるロマンス
小宮山真美子  「丁寧な埋葬」をめぐるロマンス
           ──ホーソーンの作品における死者と生者の土地/物語空間
生田和也  ロジャー・マルヴィンの埋葬者
           ──オークの表象を再考する
髙橋 愛  呪いとしての祝福
           ──「ロジャー・マルヴィンの埋葬」における父子関係の再考

第三部 ロマンスの語り
上原正博  ホーソーン的ロマンスの雰囲気について
           ──序文再読
大川 淳  皮膚、テクスト、鏡
           ──「痣」におけるエールマーの罪のしるし
竹井智子  「花崗岩のような群衆」
           ──「天国行き鉄道」の語りと移動
川下 剛  視線と仕草
           ──『ブライズデール・ロマンス』における劇場の隠喩
石川志野  死者を見つめるホーソーン
           ──エクフラシスとヴァニタス
辻 祥子  ホーソーンの失われた「上昇する螺旋」
           ──二十一世紀に読む巡礼の旅の物語
髙尾直知  「たとえ実際に起こらなかったとしても、起こるべきだった」ことを書く
           ──『アフリカ巡航者の日誌』におけるホーソーンの編集
丹羽隆昭  ホーソーン最後の日々
貞廣真紀  ジュリアン・ホーソーンと父の親密圏
           ――文学史と市場のはざまで

あとがき
索引
執筆者紹介


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