ELSJ Newsletter No.105 (2005年12月1日)

編集・発行所 〒101-0062東京都千代田区神田駿河台2-9 研究社ビル501
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        電話: 03-3293-7528 FAX: 03-3293-7539)
日本英文学会 代表者 高橋和久

大会準備委員会からのお知らせ
◎ 第78回全国大会シンポジアムの決定
 2006年5月20日(土)、21日(日)の両日に中京大学において開催予定の第78回全国大会で行われるシンポジアムの企画が下記のように決定しました(敬称略)。第1〜6部門は大会第1日(5月20日)、第7〜11部門は第2日(同21日)にそれぞれ開催されます。

第1部門「英文学と<文明化>の変遷」
司会・講師 末廣幹(専修大学教授)
   講師 岩田美喜(東北大学講師)
   講師 久野陽一(愛知教育大学助教授)
   講師 小西章典(大同工業大学専任講師)
第2部門「詩人の詩人論」
司会・講師 山田由美子(神戸女学院大学教授)
   講師 大石和欣(放送大学助教授)
   講師 笠原順路(明星大学教授)
   講師 中井晨(同志社大学教授)
第3部門「19世紀イギリス小説に潜む<食>の諸相」
   司会 横山茂雄(奈良女子大学教授)
   講師 南直人(京都橘大学教授)
   講師 岩田託子(中京大学教授)
   講師 大久保譲(埼玉大学助教授)
講師 小宮彩加(明治大学講師)
第4部門「「大戦間」の文化研究のために――共同体、ファシズム、精神分析」
司会・講師 遠藤不比人(首都大学東京助教授)
   講師 川端康雄(日本女子大学教授)
   講師 中山徹(静岡県立大学短期大学部助教授)
   講師 河野真太郎(京都ノートルダム女子大学専任講師)
第5部門「中世ロマンス――文学的研究と語学的研究の壁を越えて」
   司会 今井光規(摂南大学教授)
   講師 原野昇(広島大学教授)
   講師 田尻雅士(大阪外国語大学助教授)
   講師 山口惠里子(筑波大学助教授)
第6部門「言語の研究・教育と脳科学との接点」
司会・講師 小泉政利(東北大学助教授)
   講師 遊佐典昭(宮城学院女子大学教授)
   講師 保前文高(科学技術振興機構研究員・東京大学研究員)
   講師(コメンテータ) 酒井弘(広島大学助教授)
第7部門「アメリカ文化・国家と恐怖――テロはどこにあるのか?」
   司会 新田啓子(一橋大学助教授)
   講師 巽孝之(慶応義塾大学教授)
   講師 Susan Napier(テキサス大学オースティン校教授)
   講師 鵜飼哲(一橋大学教授)
第8部門「多重化するジャンルの詩学」
司会・講師 富士川義之(駒沢大学教授)
   講師 関口千亜紀(立教大学嘱託講師)
   講師 原成吉(獨協大学教授)
   講師 平出隆(詩人、多摩美術大学教授)
第9部門「南の周縁から問う“アメリカ”」
司会・講師 管啓次郎(明治大学教授)
   講師 今福龍太(東京外国語大学教授)
   講師 喜納育江(琉球大学助教授)
   講師 斉藤修三(青山学院女子短期大学助教授)
第10部門「中世文献の電子ファイル化とその利用」
司会・講師 小原平(東京慈恵会医科大学助教授)
   講師 Karina van Dalen-Oskam(オランダ芸術科学院ホイヘンス研究所研究部長)
   講師 家入葉子(京都大学助教授)
   講師 吉川史子(広島修道大学助教授)
第11部門「形式と意味の接点」
司会・講師 高見健一(学習院大学教授)
   講師 廣瀬幸生(筑波大学教授)
   講師 西村義樹(東京大学助教授)
   講師 岡田禎之(大阪大学助教授)

◎ 第78回全国大会特別シンポジアムの決定
 大会2日目(5月21日)午後には、特別シンポジアムが開催されることになり、その企画が以下のように決定しました。
「このままでいいのか大学英語教育」
司会 斎藤兆史(東京大学助教授)
講師 明石康(元国連事務次長)
   大津由紀雄(慶應義塾大学教授)
   原英一(東北大学教授)
   鳥飼玖美子(立教大学教授)

◎ シンポジアムのテーマ・企画の募集
 第79回大会(2007年度)のシンポジアムのテーマ・企画について具体的なご意見・ご提案を募集中です。ご意見・ご提案を事務局(etaikaiこの後に@elsj.orgを付けて下さい)までお寄せ下さい。ただし、最終決定は大会準備委員会にお任せ下さい。

◎ 大会発表応募
 11月1日締切の第78回大会の大会発表の募集には、全部で80件をこえる応募がありました。活気にあふれる大会になるのではないかと予感しております。来年度からは従来の発表要旨にかわる、独立した『大会プロシーディングズ』の刊行も理事会で鋭意検討中です(今年度の財政再建の進捗具合によります。詳細は後のほうの「理事会報告」をご覧ください)。研究の新しい潮流をそのようなかたちにして会員に配布することが、学会の活性化に裨益するところ大という判断によるものです。英文学会、そして英文学界が元気になるようなすばらしい大会発表を期待しております。
 なお、学会ホームページの新着情報でもお知らせしたとおり、全国大会での研究発表の応募がウェブからもできるようになりました。はじめての試みでしたが、多数の方にウェブページから応募いただけたおかげで、研究発表関係の事務処理が画期的に効率化されました。今後もぜひご利用ください。また、今回実際にお使いになった方でなにかお気づきの問題点がありましたら、ぜひ事務局にお知らせください。

編集委員会からのお知らせ
◎ 電子ジャーナル化
 英文学会においては、『英文学研究』の将来の電子ジャーナル化を見据えて、その投稿規定に「掲載論文を電子化して公開する権利は、日本英文学会が有するものとします」という一文を追加させていただいております。過去の掲載論文については、このような了解をとっておりませんでしたので、ただちに電子ジャーナル化に踏み切ることはできませんが、将来にむけての布石と考えていただければ幸いです。

◎ 第28回新人賞審査結果
 7月23日に第28回新人賞最終審査が行われました。Newsletter前号でお知らせしたとおり21篇の応募がありましたが、そのなかから6篇が最終審査に残り、佳作論文2篇が以下のとおり選ばれました。
佳作論文
中島 渉(桐朋学園大学非常勤講師)
 Jonathan Swift's Ideal Nation in His Unpublished Political Tracts, 1713-15
池田寛子(広島市立大学)
Crazy Jane Revises the Story of Ireland: W. B. Yeats's View of Irish Nationalism after Independence
 なお、選評は上記論文とともに『英文学研究』第82巻和文号に掲載されています。

◎ 新人賞応募規定の変更
 第29回新人賞応募規定は、このNewsletterとともにお手元に届く『英文学研究』第82巻、あるいは学会ホームページをご覧ください。
 なお、第30回新人賞から、応募資格に若干の変更が加えられます。これまでは会員以外の方からの応募も歓迎しておりました。それは、会員以外の若い研究者から新しい息吹をふくんだ論文を応募していただくことは、会員にとってもプラスになるという判断からだったと思います。
 しかし、現在の日本のアカデミズムにおける英文学会の位置を考えてみたとき、はたして学会外にまで視野を広げるという姿勢がいまだに妥当であるのか、疑問に思われます。また、新人賞に関しては学会として多くの労力と経費をかけておりますが、限られた財源はなによりも会員へのサービスの提供に使われるべきであると考えます。さらに、学会の活性化のためには、若い研究者にはたんに新人賞の応募のみならず、会員としてさまざまなかたちで学会に貢献していただかなければなりません。そのような強い期待をこめて、第30回新人賞から、新人賞応募は会員に限定することにさせていただきます。
 この規定変更が新人賞応募論文の質の低下につながらないよう、満37歳未満、あるいは修士号取得5年以内の会員のさらなる奮起を心よりお願い申しあげます。

地方支部からのお知らせ
◎ 北海道支部
○第50回大会報告
 平成17年10月1日、2日に日本英文学会北海道支部第50回大会が、北海道大学人文・社会総合教育研究棟において開催されました。50周年記念講演として3つの講演、「Dracula and the Imperial Horde」(英国サリー大学ローハンプトン校Simon Edwards氏)、「生成文法の威力とその落とし穴」(米国ハーバード大学 久野璋氏)、「文学研究と歴史学」(北海道大学名誉教授 平善介氏)が行われた他、文学部門では8つの研究発表、語学部門では4つの研究発表及びシンポジアム「英語教育の将来を見据えた英語研究」(北海道教育大学函館校 上山恭男、北海道教育大学釧路校 石田秀雄、札幌南高等学校 石井信幸)がありました。なお、1日夜には歴代の支部長・副支部長など会の発展に尽くされた方々をお招きし、50周年記念祝賀会が盛大に催されました。

◎ 中部支部
○第57回大会報告
 中部支部第57回大会が2005年10月15日(土)、16日(日)の両日、愛知大学名古屋校舎で開催された。第1日目は、特別講演:原田範行(杏林大学教授)「代作、合作、贋作に見るイギリス18世紀文学」、および24件の研究発表があった。第2日目はシンポジウム3件が行われた。「ルネサンス文学とBritishness / Englishness」(司会・講師:鈴木紀之、講師:滝川睦、小西章典、小林かおり)、「万博の19世紀:多元的公共圏の時代」(司会・講師:松本三枝子、講師:栂正行、村山敏勝、清水一嘉)、「不定詞の統語論:構造・許可・歴史」(司会・講師:田中智之、縄田裕幸、柳朋宏)。

◎ 中国四国支部
○第58回大会報告
 10月29日(土)、30日(日)の両日、香川大学において開催された。第1日目は29件の研究発表に続き、香川大学名誉教授・香川県立保健医療大学教授 稲富健一郎氏による特別講演「『リア王』――苦悩を通してのリアの変質」があった。第2日目は、シンポジアム「戦争と平和のレトリック――詩における個別性と普遍性」(講師:菅野正彦氏「John Gowerの戦争観」、司会・講師:吉中孝志氏「天上の戦い――John MiltonのParadise Lostにおける聖戦について」、講師:吉川朗子氏「A Sense of Treachery――Wordsworthと戦争」、講師:田村斉敏氏「生者と死者の共同体 ――Robert Gravesの戦争詩」)が行われた。

◎ 九州支部
○第58回大会報告
 2005年10月29(土)、30(日)日の両日、長崎大学で開催され、27の研究発表、3のシンポジウム:「シェイクスピアと歴史」(司会・講師:太田一昭、講師:佐野隆弥、徳見道夫、朱雀成子)、「アメリカ古典文学の現代性」(司会・講師:竹内勝徳、講師:秋好礼子、里内克己)、「これからの文体論:コーパス、文学、教育」(司会・講師:堀正広、講師:田畑智司、上田修、富岡龍明)、及び、特別講演:若島正「ロリータとの出会い」があった。
○第59回大会予告
 2006年10月、西南学院大学で開催される。発表希望者は題目とその要旨(A4版、横書き1000字以内)および略歴を事務局へ郵送。応募資格:当該年度会費納入者。締切:7月末日。送付先・問合先:〒814-0180福岡市城南区七隈 福岡大学人文学部英語学科 山内正一研究室 日本英文学会九州支部(Tel: 092-871-6631〔代〕)。
○事務局移転のお知らせ
 2005年11月、九州支部事務局が移転しました。新事務局:〒814-0180福岡市城南区七隈 福岡大学人文学部英語学科 山内正一研究室 日本英文学会九州支部(Tel: 092-871-6631〔代〕)。

役員の決定
 しばらく空席となっておりました早稲田大学の大学代表ですが、勝方恵子氏に決定したとの連絡をいただきました(任期は2006年度末まで)。どうぞよろしくお願い申しあげます。

会員名簿の訂正とお詫び
 3月に2004年度会員の皆様にお送りした会員名簿に以下のような誤りがありました。お詫びして訂正いたします。
7頁 池上恵子氏の所属・職名 「大東文化大学外国語学部・教授」を追加。

理事会報告
 8月4日午後2時から7時にかけて、第3回理事会が開催されました。以下の案件が話しあわれました。
1. 文部科学省が公益法人としての当会に求めている事務職員就業規則・事務局員就業規則について加藤会長代行を中心にして策定を進めていたが、事務局員の負担のあり方や今後の学会の財政状況を勘案しながらその基本線を固めた。今後は、来年度に間に合うペースで細部を検討していく。
2. 理事会が立てた財政建て直しの方策について、具体化の進捗状況について事務局から説明があり、これまでのところ順調に推移している旨の報告があった。今後は、管理費と事業費の割合に配慮していくことが確認された(公益法人としては、事業費が管理費を上まわっている必要があるため)。
3. 全国大会の発表を、たんなる短い要旨としてではなく、ある程度の長さをもったレポート(論文とまではいかないまでも)として残すために、『大会プロシーディングズ』の発行について検討することになった。文学・語学研究の新しい潮流をふくんでいることが多い大会発表をそのようなかたちで記録することは会員それぞれへの大きな刺激となるし、なによりも発表者にとって大きなモティヴェーションとなると考えるからである。個人会員にのみ配布(無料)したいと考えているが、実施の時期や原稿の枚数などは学会の財政をにらみながら決めていく。管理費の支出をできるかぎり抑えながら、会員の刺激となるこのような事業は大きく展開していきたいものである。
4. 大会のときの当日会員というカテゴリーは、これまで学生を対象に設けられていたが、学生以外の方を対象にしても設けることになった(後のほうで述べるように、新しい公益法人法が施行されることにともなう処置として)。
5. 支部問題に関しては、細部については全支部がそろってから時間をかけて討議していくことにし、そのために関東支部、関西支部の設立を最優先することが了承された。日常的な切磋琢磨の場として支部組織を充実させることは、文部科学省の指導があったということは別にしても、将来における英文学研究の活性化には欠かせないと判断するからである。大きな労力を要する両支部の設立準備については、それぞれの発起人グループ(関東は若手の会、関西は発起人の会)の自発的な活動をもとに進めてもらうこととし、理事会としては必要に応じて支援・協力を惜しまないことを申し合わせた。今後のスケジュールとしては、来年3月の理事会で支部設立準備の進行状況を検討し、その後、評議員会などにも諮りながら最終的に5月の理事会での両支部承認を目指すこととした。
6. 大学の多忙化をうけて、事務局の任期を原則として4月から翌年5月末までの14ヵ月(再任可。その場合はさらに12ヵ月延長)とすることが了承され、新任期の適用を、事務局長補佐・大会準備委員会書記については来年度から開始することが決定された。再来年度からは、全事務局員に適用される。

支部設立準備会
 理事会報告にもありましたように、理事会は、諸般の事情(文部科学省の指導、大学における人文系学問の地盤沈下など)、および将来における学会の研究活動へのメリットを考慮したうえで、現在支部組織がないところに支部を設立することをめざし、関東支部については「若手の会」に、関西支部については「発起人の会」に、そのための大変な準備をお願いしております。
 以下は、両支部が予定している支部設立準備会へのご案内です。言うまでもないことですが、両支部は、英文学会の支部として、英文学会がカバーしている研究分野のすべてをカバーすることをめざしておりますし、年齢性別を問うこともありません。できるだけ多くの方のご参加をお願い申しあげます。

◎ 関東支部
 日本英文学会の関東支部(仮称)設立準備集会を、2006年1月14日(土)に青山学院大学6号館621教室にて、15時30分から行います。本支部は、英文学会として支部組織を整備しなくてはならないという制度的要請と、若手研究者の育成、研究者間の柔軟かつ活発な交流などの内発的な必要の両面から、設立が求められていたものです。従って、本支部の設立に当たっては、英文学会理事会の示唆、助言と同時に、この1年ほど続いてきた「英文学東京若手の会」(以下「若手の会」)の活動実績が参考になると思われます。「若手の会」はこの1年間例会を重ね、その名称に示されているとおり、活動は「英文学」分野にかぎられるものの、これまでになかったジャンル横断的企画や、若き大学院生による新たな視点からの研究発表などを通じ、多くの参加者を得て、少なからぬ成果をおさめてきました。
 上記の実績を参考にしつつ、日本英文学会の支部としての設立に際して、いわゆるイギリス文学のみならず、アメリカ文学、英語学、英語教育などの幅広い分野の方々の積極的な参加を求めたいと思います。
 今後の手続きとしては、同様に設立準備中の関西支部とも連絡を取りながら、ここでご案内しております「設立準備会」の成果をもとに、英文学会の理事会、評議員会、代表者会議で設立を認めて頂き、正式に発足することになりますが、世代年齢を問わず、また研究ジャンルを問わず、皆様からアイデアをいただいて新しい支部の活力にしたいと考えておりますので、そうした活動に関心をお持ちの方は、是非「準備会」に足をお運びください。支部規則(案)を含めて、今後支部として活動していく上でのおおまかな運営形態や活動方針をご相談させていただきたいと考えております。当面年1回の大会と年4回程度の例会を考えていますが、他の企画やいっそう頻度の高い活動が可能であるのか、支部の名称をどうするかなど、さまざまな点について自由なディスカッションの場を用意したいと思います。まったくオープンな会ですので、奮ってご参加くださいますようお願いいたします。
 また、以下のとおり、準備会の前後にシンポジウム、講演、および研究発表も行う予定になっています。そちらにもご参加いただければ幸いです。

 日時 2006年1月14日(土)12:40〜
 場所 青山学院大学
 プログラム
  1) シンポジウム(12:40〜 621教室)
     テーマ「英文学的出版事情についていろいろ知りたい! 編集者緊急座談会」
     司会 阿部公彦(東京大学)
     講師 津田正(研究社)
          古川義子(岩波書店)
          森有紀子(松柏社)
  2) 講演(14:30〜 621教室)
     「窃視のルネサンス――ダンを中心に」 玉泉八州男(帝京大学)
  3) 設立準備会(15:30〜 621教室)
  4) 研究発表(16:15〜 11号館1122、1135)
     「D. H. ロレンスとモダンダンスの交点」 三宅美千代(早稲田大学大学院)
     「ウルフの『灯台へ』における教育と階級」 井上美雪(慶應義塾大学非常勤)

発起人 阿部公彦、加藤光也、千石英世、高橋和久、巽孝之、田村斉敏、丹治愛、中井亜佐子、原田範行、武藤浩史、村山敏勝
                  連絡先 村山敏勝(murayama@fh.seikei.ac.jp)

◎ 関西支部
 日本英文学会関西支部の設立に向けて、去る8月6日(土)大阪大学豊中キャンパスにて、志を同じくする者が相集い「発起人会議」を開きました。設立はゼロからのスタートであるゆえ、関西支部設立の意義、英文学研究の現状、若手研究者の育成、研究者間の交流等をめぐって、種々の意見の交換と活発な議論を戦かわし、その結果、関西支部設立の必要を強く確認いたしました。設立への賛同の意思は、発起人会に出席した方の発言と、都合により出席できなかった方からの書面等による意見を集約すれば、呼びかけた方々ほぼ全員の30名の方からご確認を得ることができ、関西支部の設立準備に向けて大きな一歩をふみ出すことができました。
 「発起人会議」で話し合ったポイントは、以下のように整理できるかと思います。(1)英文学の分野で研究している者には、アメリカ文学や英語学の分野と比較すると、研究発表大会や研究誌の刊行などの点で、研究活動の機会や場が不足していること、(2)研究テーマや研究対象にしている作家の関係で、所属すべき適当な個別学会がない者には特に研究活動の場が制約されていること、(3)若い研究者に対して研究発表や論文掲載の機会をもっと多く提供すべきであること、(4)研究領域やテーマにおいて横断的な研究が可能である学会が求められていること、(5)研究者間のより広範な交流の機会や場が、若い研究者のみならず、中堅・ベテランの研究者の間にも確保されるべきであること、など。これらの点を踏まえて、関西地区には、是非とも、既存の学会に勝るとも劣らない、自由な雰囲気の、風通しの良い、活気にあふれた学会を立ち上げるべきであるとの旨を確認し合いました。
 まず、関西支部の設立にあたって、準備作業を遂行するためのワーキング・グループ(以下WGと略記)を編成いたしました。メンバーは、宮内弘(京都大学)、御輿哲也(神戸市外国語大学)、小澤博(関西学院大学)、玉井タ(大阪大学)の4名で、事務局長には服部典之(大阪大学)を選出しました(敬称省略)。今後は、このWGで、関西支部の学会組織、役員の選出、大会の開催、機関誌の刊行、等々について、種々の議論を重ね原案を作成してゆきます。
 WGの会議で最初に決定した催しについてお知らせいたします。
 関西支部学会は、「英文学、アメリカ文学、英語学、および英語教育に関わるその他関連分野の研究を促進し、あわせて、会員相互および内外の学会との交流をはかること」を旨として、幅広く、入会・参加を呼びかけたいと存じます。そのために、支部設立の気運を高めてゆく期待をこめて「関西支部設立準備大会」を開催し、シンポジウムを行いたいと存じます。日程は、以下の通りです。

 日時 2005年12月17日(土)14:30〜
 場所 大阪大学豊中キャンパス(国際公共政策研究科棟2F「講義シアター」)
 プログラム
  1) シンポジウム(14:30〜16:50)
    テーマ 「英文学の楽しみ方――英米文学研究の展望――」
    司会 玉井タ(大阪大学)
    講師 御輿哲也(神戸市外国語大学)
        小澤博(関西学院大学)
        齊藤美和(京都工芸繊維大学)
        林以知郎(同志社大学) (50音順)
  2) 総会(17:00〜17:30)
  3) 懇親会(17:40〜19:40)
会場 学生交流棟 1階レストラン「宙(そら)」
会費 3000〜4000円   

 この「関西支部設立準備大会」は、関西支部の設立にご関心のある方ならどなたでも歓迎です。多数の方々のご参加を期待しております。
 「関西支部設立準備大会」の案内パンフレットは、関西地区の各大学の英米文学・英語学および英語関係の研究室にお送りいたします。お尋ねの点がございましたら、発起人会世話人の玉井タ(大阪大学文学部)までお問い合わせ下さい。
                (日本英文学会関西支部、発起人会世話人、玉井タ)

事務局からのお願い・ご報告
◎ 会費納入について
 このニューズレターとともに、郵便局の振替用紙が同封されている場合、用紙に記載されている年度の会費が未納であることを意味します。これを機に納入して下さいますよう、お願い申しあげます(手数料は不要です)。行き違いとなりました場合はご容赦下さい。なお、三井住友銀行(神田支店、普通預金114558)あるいはみずほ銀行(九段支店、普通預金1231895)の口座に振り込んでいただいても結構ですが、その場合は、振り込みの料金をご負担いただくことになります。
 現在は、会費領収書をお送りするのを省略させていただいております。必要な方は返信用封筒(切手は不要ですが、申し訳ありませんが宛名はお書き下さい)を同封の上、事務局にご請求下さいますよう、お願い申しあげます。なお、郵便局の自動払込み(以下に説明)あるいは銀行の自動引き落としを登録していただいた方については、あらかじめ領収書送付請求を事務局宛(ejimuこの後に@elsj.orgを付けて下さい)に出しておいていただければ、自動的に領収書をお送りさせていただきます。

◎ 校費による会費支払いについて
 国立大学が法人化したことで、私立大学並みに校費ないし科学研究費による会費支払いが可能になった模様です。東京大学教養学部の事務に尋ねたところ、大学によって、あるいは同じ大学でも学部によって処理のシステムが異なっている可能性があるということでしたので、それぞれ所属の大学にお問い合わせください。この処理のために領収書を必要とされる方は、事務局の仕事の簡略化という見地から、なるべく郵便局自動払込み(以下に説明)をご利用いただければ幸いです。この件については、それぞれの大学の事務に処理のシステムをご確認のうえ、必要な書類等については事務局(ejimuこの後に@elsj.orgを付けて下さい; tel: 03-3293-7528)にご相談ください。

◎ 郵便局自動払込みについて(重要なお願い)
 郵便局自動払込みというシステムが新たに利用できるようになりました。これは一件あたりの手数料が銀行の引き落とし(150円)とくらべて、また従来の郵便振替(80円)とくらべても格段に安いので(25円)、郵便局に口座をお持ちの方にはぜひご利用いただきたいと存じます。登録している会員の郵便口座から決まった期日に会費が自動的に払い込まれますと(手数料は学会持ち)、あらかじめ領収書の送付請求を登録してくださっている会員には、とくに請求をいただかなくても自動的に領収書をお送りいたします。
 いったんこの方法での会費支払いを登録すれば、いちいち会費を支払いに郵便局に行く必要はなくなりますし、あらかじめ登録していただければ領収書が自動的に送付されますが、そのうえ変更も解約も事務局へのメールかファックスだけで簡単にできるようになりますので、とくにこれから校費払いを利用なさる方には、また(経費節減の観点から)いままで銀行の引き落としをご利用になっている方にもぜひともご検討いただければと思います。申し込みをしても構わないという方は、事務局宛(ejimuこの後に@elsj.orgを付けて下さい; FAX: 03-3293-7539)に「郵便局自動払込みにしたい」とひとことご連絡いただきますようよろしくお願い申しあげます(葉書でも結構です)。
 ただし、この方法は登録者が30人以上でなければなりませんので、お申し込みいただく方がその人数になるまでご利用を少しお待ちいただく可能性もあります。あらかじめご承知おきください。

◎ 住所変更届について
 住所(宛先)に変更があった場合は、必ず事務局にお届けをお願いします。電子メール(ejimuこの後に@elsj.orgを付けて下さい)でも葉書でもファックスでも、なんでも結構ですので、よろしくお願い申しあげます。

◎ 退会届について
 来年4月から新しい公益法人法が施行されます。それにともない、求められる会計処理の方法が厳格化されるようです。
 会員の方に関わる点でいえば、会員であるか否かをはっきりさせていただかなければなりません。いままではその年の年会費を支払えば会員、支払わなければ非会員という、ひじょうに曖昧な規定でしたが、それは許されなくなりました(「理事会報告」のところで述べたように、大会の参加者に関して新たに当日会員というカテゴリーを設けることになったのは、このことと関連があります)。
 今後は、会員の数をきちんと把握して、それにしたがって会費収入を予算案として計上することになります。そして領収できなかった分については、「未収分」として決算報告に書かなければならなくなりました。お互いに面倒なことではありますが、しようがありません。
 現在の会員規程では、「会員は、長期にわたって会費を滞納したとき、その資格を失う」となっているだけですが、理事会での話し合いの結果、この「長期」というのを2年間とすることにしております。その間は、会費の納入がなくても、会員ということになりますので、『英文学研究』も大会資料もニューズレターも(もしかしたら『大会プロシーディングズ』も)送られることになります。そしてそれらのものが送られてしまうと、その年度の会費はいただかなければならなくなります。したがって、もしも退会のご意思をお持ちの場合には、退会届の様式は問いませんので、必ずその旨を事務局(ejimu この後に@elsj.orgを付けて下さい; FAX: 03-3293-7539)までご連絡いただきますよう、よろしくお願い申しあげます。

◎ 次期大会開催校下見について
 去る8月1日に、事務局スタッフが中京大学にお邪魔して、第78回大会会場の下見をさせていただきました。名古屋駅から30分弱、地下鉄駅の真ん前というひじょうに便利なキャンパスに到着後、早速、開催校委員の先生方には使用予定の建物や教室に実際に案内していただきながら、設備等の説明をしていただきました。ありがとうございました。懇親会もキャンパス内で開催できることになり、なごやかな大会になりそうです。中京大学の先生方、大会までの準備等、どうぞよろしくお願い申し上げます。

◎ 広告掲載
 今年度以降、『英文学研究』と『大会資料』には、協賛会員になっていただいている出版社等の広告が掲載されることになります。広告を出してくださる会社の方々には、日本英文学会にたいするご協力を感謝いたしますとともに、会員の方々にはその情報を有効に活用していただければ幸いです。
 また、今後、広告を出してもいいと考えておられる協賛会員の方がおられましたら、事務局にまでご連絡いただければ幸いです。

◎ 次回Newsletterについて
 次回Newsletterは3月10日前後に発送します。ただし、発送費の節約のために、『英文学研究』英文号と『大会資料』とNewsletterを全部一緒にお送りすることになるかもしれません。それだけではなく、Newsletterは『大会資料』の巻末として印刷されているかもしれません。
 今年になっていろいろ伝統を変更してしまって、ご不快の方もおられると思います。しかし『英語青年』12月号の「片々録」にあるように、英文学会の会員数は1999年から2004年までの5年間で600人減少しています(今年度は若干増えていることになっていますが、それは「退会届について」で述べたように、会員の定義を変えたためです)。理事会は会員の減少傾向に歯止めをかけるべく、(『大会プロシーディングズ』のような)いろいろな案を検討してくれていますが、それを実現するためにも事務局としてはできるだけ支出を削減していきたいと考えております。ご理解とご容赦をいただければ幸いです。

日本英文学会事務局 
         丹治愛・扶瀬幹生・松本朗

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